ジョージワシントン

曖昧さ回避 この項目では、アイルランドの競走馬について説明しています。アメリカ合衆国大統領については「ジョージ・ワシントン」を、その他の用法については「ジョージ・ワシントン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ジョージワシントン
スーザン・マグナーの勝負服
欧字表記 George Washington
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年3月1日
死没 2007年10月27日
Danehill
Bordighera
母の父 Alysheba
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 Lael Stables
馬主 Mrs.John Magnier
& Michael B.Tabor
& Derrick Smith
→Mrs.John Magnier
調教師 Aidan Patrick O'Brienアイルランド
競走成績
生涯成績 12戦6勝
獲得賞金 112万4820ドル換算
WTRR T/M 127(2006年)[1]
T/MI 119(2007年)[2]
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ジョージワシントン (George Washington) とはアイルランド競走馬種牡馬である。2006年2000ギニークイーンエリザベス2世ステークスなどに優勝した。世界の競馬界でゴドルフィンと肩を並べる勢力を持つクールモアの所有馬。生産者はケンタッキーダービーバーバロと同じ。

経歴

2歳・3歳時

2005年5月1日ニューマーケット競馬場のメイドン(未勝利戦)でデビューした。このレースでは3着に終わったが、3週後のメイドンを快勝し、続くG2のレイルウェイステークスにも勝った。そしてG1のフィーニクスステークスに出走すると、スタートのときわずかに妨害を受けたが、同じ厩舎のアマデウスモーツァルトに8馬身差をつけて圧勝した。さらにG1のナショナルステークスでは1番人気に応えて勝利した。その後デューハーストステークスに向かうとされたが、馬場状態が合わないとしてレース直前になって回避した。2005年のカルティエ賞では最優秀2歳牡馬に選出された。

3歳の緒戦として2000ギニーに出走したジョージワシントンは、のちのエプソムダービーサーパーシー(英語版)などを抑えて1番人気に支持され、2着サーパーシーに2馬身2分の1差をつけて快勝した。しかし続くアイリッシュ2000ギニーでは、不良馬場のため2000ギニーで4着だったアラーファアラーファ(英語版)に負けて2着だった。このレースのあとに筋肉痛のため休養する。G2のセレブレーションマイルで復帰し、それまで主戦を務めていたキーレン・ファロンからマイケル・キネーン騎手が乗り替わったが、スタートで出遅れたせいもあり3着。そのあとクイーンエリザベス2世ステークスに出走した。レースではペースメーカーとして出走したイワンディニソヴィッチとランフランコ・デットーリが騎乗したゴドルフィン所属のリブレティストが接触する場面があったなか、1馬身4分の1差で勝利した。

クイーンエリザベス2世ステークスのあと、種牡馬としての価値を高くしようとするクールモア側の意向によってブリーダーズカップ・マイルではなくブリーダーズカップ・クラシックに出走することになった。しかしレースでは直線でいつもの勢いがなくインヴァソールの6着に終わった。それでもヨーロッパ(欧州)での活躍が評価され、2006年度のカルティエ賞では最優秀3歳牡馬に選出された。

引退・現役復帰

ブリーダーズカップ・クラシックのあとに引退し、クールモアスタッドで種牡馬となることが決まった。初年度の種付け料は6万ユーロとされていた。しかしその後生殖能力に問題があることが明らかになり、競走馬に復帰した。

4歳時

復帰戦は2007年6月のクイーンアンステークスだったが4着に終わった。続くエクリプスステークスではエプソムダービー馬オーソライズドとの対戦が実現したが、最後の直線で1頭だけ外ラチに沿って走ったノットナウケイト、さらにオーソライズドとの叩き合いに敗れて3着だった。続くムーランドロンシャン賞でも3着と敗れた。

その後、10月のブリーダーズカップ・クラシックに出走するも、最後の直線で重度の故障を発症し[3]、競走を中止。安楽死処分となった[3][4]

競走成績

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2005.05.01 ニューマーケット メイドン 芝5f 3着 K.ファロン 1 1/2馬身 League Champion
2005.05.22 カラ メイドン 芝6f 1着 K.ファロン 2馬身 (Global Wings)
2005.06.26 カラ レイルウェイS G2 芝6f 1着 K.ファロン 3/4馬身 (Amigoni)
2005.08.07 カラ フィーニクスS G1 芝6f 1着 K.ファロン 8馬身 (Amadeus Mozart)
2005.09.18 カラ ナショナルS G1 芝7f 1着 K.ファロン 2馬身 (Golden Arrow)
2006.05.06 ニューマーケット 2000ギニー G1 芝8f 1着 K.ファロン 2 1/2馬身 (Sir Percy)
2006.05.27 カラ 愛2000ギニー G1 芝8f 2着 K.ファロン 2馬身 Araafa
2006.08.27 グッドウッド セレブレーションマイル G2 芝8f 3着 M.キネーン 1 1/4馬身 Caradak
2006.09.23 アスコット QE2世S G1 芝8f 1着 M.キネーン 1 1/4馬身 (Araafa)
2006.11.04 チャーチルダウンズ BCクラシック G1 D10f 6着 M.キネーン 7馬身 Invasor
2007.06.19 アスコット クイーンアンS G1 芝8f 4着 M.キネーン 1/2馬身 (Ramonti)
2007.07.08 サンダウン エクリプスS G1 芝10f7y 3着 J.ヘファーナン 1 1/2馬身 (Notnowcato)
2007.09.09 ロンシャン ムーランドロンシャン賞 G1 芝1600m 3着 K.ファロン 3馬身 (Darjina)
2007.10.27 モンマスパーク BCクラシック G1 D10f 中止 M.キネーン (Curlin)

子孫

ジョージワシントンの仔は、2008年2月4日に生まれたDate With Destiny(母Flawlessly)が唯一である。2010年にデビューし、初戦を勝ち上がった。2011年のオークストライアル(L)で3着に入っている。この馬は繁殖牝馬となっている。

ジョージワシントンを母の父に持つ馬は当然Date With Destinyの仔だけということになるが、2015年に初仔のBeautiful Morningがデビューし、フィリーズマイル(G1)5着、フィリーズトライアルS(L)2着になっている。

血統表

ジョージワシントン血統ダンジグ系 / Natalma4×4=12.50%〈父内〉、Native Dancer5.5×5=9.38%) (血統表の出典)

*デインヒル
Danehill
1986 鹿毛
父の父
Danzig
1977 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Pas De Nom Admiral's Voyage
Petitioner (USA)
父の母
Razy Ana
1981 鹿毛
His Majesty Ribot
Flower Bowl
Spring Adieu Buckpasser
Natalma

Bordighera
1992 栗毛
Alysheba
1984 鹿毛
Alydar Raise A Native
Sweet Tooth
Bel Sheba Lt. Stevens
Belthazar
母の母
Blue Tip
1982 鹿毛
Tip Moss Luthier
Top Twig
As Blue Blue Tom
As Well F-No.5-g

血統背景

半兄グランデラ2002年ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップ王者。

脚注

  1. ^ “The 2006 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2022年2月4日閲覧。
  2. ^ “The 2007 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2022年2月4日閲覧。
  3. ^ a b “大一番を制したのはカーリン!/BCクラシック”. Japan Horse Navigation System (2007年10月31日). 2011年9月5日閲覧。
  4. ^ “BCクラシック、3歳馬カーリンがV”. netkeiba.com (2007年10月28日). 2011年9月5日閲覧。

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
イギリスの旗 タイムフォーム年度代表馬
   

1960年 シャーロッツヴィル・フロリバンダ
1961年 モルヴェド
1962年 マッチ
1963年 エクスビュリ
1964年 レルコ
1965年 シーバード
1966年 ダンスール
1967年 ペティンゴ
1968年 ヴェイグリーノーブル
1969年 レヴモス
1970年 ニジンスキー
1971年 ブリガディアジェラードミルリーフ
1972年 ブリガディアジェラード
1973年 アパラチー・ラインゴールド
1974年 アレフランス
1975年 グランディ
1976年 ユース
1977年 アレッジド
1978年 アレッジド
1979年 トロイ

1980年 ムーアスタイル
1981年 シャーガー
1982年 アルドロス
1983年 ハビブティ
1984年 プロヴィデオ
1985年 ペブルス
1986年 ダンシングブレーヴ
1987年 リファレンスポイント
1988年 ウォーニング
1989年 ジルザル
1990年 デイジュール
1991年 ジェネラス
1992年 セントジョヴァイト
1993年 オペラハウス
1994年 セルティックスウィング
1995年 ラムタラ
1996年 マークオブエスティーム
1997年 パントレセレブル
1998年 インティカブ
1999年 デイラミ

2000年 ドバイミレニアム
2001年 サキー
2002年 ロックオブジブラルタル
2003年 ファルブラヴ
2004年 ドワイエン
2005年 ハリケーンラン
2006年 ジョージワシントン
2007年 マンデュロ
2008年 ザルカヴァ
2009年 シーザスターズ
2010年 ハービンジャー
2011年 フランケル
2012年 フランケル
2013年 トレヴ
2014年 キングマン
2015年 ゴールデンホーン
2016年 アルマンゾル
2017年 エネイブル
2018年 ロアリングライオン
2019年 ピナトゥボ

カルティエ賞最優秀2歳牡馬
   

1991年 フランスの旗 アラジ
1992年 フランスの旗 ザフォニック
1993年 イギリスの旗 ファーストトランプ
1994年 イギリスの旗 セルティックスウィング
1995年 イギリスの旗 アルハース
1996年 アラブ首長国連邦の旗 バハミアンバウンティ
1997年 フランスの旗 ザール
1998年 アラブ首長国連邦の旗 アルジャブル
1999年 アイルランドの旗 ファスリエフ
2000年 イギリスの旗 トゥブーグ

2001年 アイルランドの旗 ヨハネスブルグ
2002年 アイルランドの旗 ホールドザットタイガー
2003年 アイルランドの旗 ワンクールキャット
2004年 アラブ首長国連邦の旗 シャマルダル
2005年 アイルランドの旗 ジョージワシントン
2006年 アイルランドの旗 テオフィロ
2007年 アイルランドの旗 ニューアプローチ
2008年 アイルランドの旗 マスタークラフツマン
2009年 アイルランドの旗 セントニコラスアビー
2010年 イギリスの旗 フランケル

カルティエ賞最優秀3歳牡馬
   

2001年 アイルランドの旗 ガリレオ
2002年 アイルランドの旗 ロックオブジブラルタル
2003年 フランスの旗 ダラカニ
2004年 フランスの旗 バゴ
2005年 フランスの旗 ハリケーンラン
2006年 アイルランドの旗 ジョージワシントン
2007年 イギリスの旗 オーソライズド
2008年 アイルランドの旗 ニューアプローチ
2009年 アイルランドの旗 シーザスターズ
2010年 イギリスの旗 ワークフォース

2011年 イギリスの旗 フランケル
2012年 アイルランドの旗 キャメロット
2013年 アイルランドの旗 マジシャン
2014年 イギリスの旗 キングマン
2015年 イギリスの旗 ゴールデンホーン
2016年 フランスの旗 アルマンゾル
2017年 イギリスの旗 クラックスマン
2018年 イギリスの旗 ロアリングライオン
2019年 イギリスの旗 トゥーダーンホット
2020年 イギリスの旗 パレスピア