郷下川

郷下川
愛知県名古屋市天白区の河川
郷下川2022年令和4年)12月撮影
水系 天白川水系
種別 準用河川
延長 2.2 km
水源 相生山
河口・合流先 藤川
流路 愛知県名古屋市天白区
流域 同上

地図

地図
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郷下川(ごうしたがわ)は、愛知県名古屋市天白区を流れる天白川水系普通河川[1][2][3]村下川とも呼ばれる[4][5]

概要

天白川の2次支川。かつての野並村(名古屋市天白区大字野並)を流れる。もともとは天白川が激しく流路を変えていた時代の古川であったとされている[6][7]

2000年東海豪雨では雨水が逆流し、大きな被害を出した(後述)。その後、対策として護岸嵩上げ工事が行われ[8]、現在では監視用のライブカメラが設置されている[1]。現在では、河川に下りる階段や東家(あずまや)が設置されており、綺麗に整備されている。

地理

天白区の西部を流れ、天白区内で流路が完結する[2]

郷下川は野並1号橋から開渠となる[9][10][11]。南流し、途中相生山付近に源を発す流れ[12]を集める笹原排水路を合わせて[9]天白区と緑区の境界付近で藤川に合流する。

名称の由来

名称の由来は『野並郷(野並村)の下の川』から。区画整理前までは村下川と呼ばれていた[4][5]。また、天白川が激しく流路を変えていた時代の旧流路とされていることから、古川とも呼ばれている[6][7]

流域の周辺施設

東海豪雨と水害対策

  • 2000年(平成12年)9月11日 - 東海豪雨(水害)において、名古屋市周辺で最も浸水被害が激しかったのは、天白区野並地区となる。天白川、藤川の堤防に囲まれた堤内地が水面より低い地形のため、行き場を失った雨水が集中、野並公園に隣接する『雨水排水ポンプ場』から天白川に排水した水が、河口に向かわず、そのまま藤川から郷下川へと逆流し、再び野並地区に流入する事態となり、やがて郷下川より西側の住宅のおよそ2800世帯の1階は完全に水没し(最も高い所で水深2m)、住居内での溺死者も発生した[13][8]
  • 2001年(平成13年)- 護岸嵩上げ工事にて最大22cm護岸が高くなった[8]
  • 2023年令和5年)現在 - 『野並地区水防サイレン』が設置され、郷下川の水位が7.1メートル以上になると自動でサイレンが鳴る(8m以上で避難勧告)。

橋梁

  • 野並1号橋
  • 野並2号橋
  • 野並3号橋
  • 野並4号橋
  • 野並5号橋
  • 笹原人道橋
  • 野並人道橋
  • 野並第2人道橋
  • 野並第3人道橋
  • 郷下橋
  • 天白6号溝橋[14]

交通

公共交通機関

鉄道

名古屋市営地下鉄

路線バス

名古屋市営バス
  • 野並 停留所
  • 野並二丁目 停留所
  • 北沢 停留所
  • 笹原 停留所

道路

ギャラリー

郷下川

  • 下流 (2021年7月)
    下流
    (2021年7月)
  • 人道橋に設置されている東屋 (2021年7月)
    人道橋に設置されている東屋
    (2021年7月)

笹原排水路

  • 笹原排水路の起点 (2023年12月)
    笹原排水路の起点
    (2023年12月)

参考文献

  • 『新修名古屋市史 資料編 近世3』名古屋市、2011年、137頁。ISBN 9784903305073。全国書誌番号:21933254。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011196466-00 
  • 名古屋大学文学部研究論集 74ページ
  • 廣内大助「市民活動を通じて被災地域に構築される新たな災害文化」『国立歴史民俗博物館研究報告』第156巻、国立歴史民俗博物館、2010年3月、57-70頁、CRID 1390290699066342144、doi:10.15024/00001783、ISSN 0286-7400“p.66 より” 

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b “道路・河川等監視情報システム”. 名古屋市. 2022年12月28日閲覧。
  2. ^ a b “天白川水系 [230052 地図 | 国土数値情報河川データセット]”. Geoshapeリポジトリ - 地理形状データ共有サイト | ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター (CODH). 2023年2月7日閲覧。
  3. ^ “名古屋総合排水計画 5章”. 名古屋市. 2023年12月2日閲覧。
  4. ^ a b 『愛知郡村邑全図』尾張藩、寛政。 
  5. ^ a b 『尾三郷土史料叢書 第7編』愛知県教育会、1934年、455頁。 
  6. ^ a b 浅井金松『天白区の歴史』愛知県郷土資料刊行会〈名古屋区史シリーズ〉、1983年12月。 
  7. ^ a b “名古屋の鎌倉古道/歴史紀行8”. 2023年2月7日閲覧。
  8. ^ a b c “過去から学ぶ防災マップ”. 名古屋市. 2023年2月7日閲覧。
  9. ^ a b “野並学区避難行動マップ”. 天白区野並学区. 2023年12月2日閲覧。
  10. ^ “名古屋の橋・橋跡マップ”. 大名古屋暗渠録. 2022年12月28日閲覧。
  11. ^ “名古屋の暗渠・用水・小河川”. 大名古屋暗渠録. 2023年12月29日閲覧。
  12. ^ “地理院地図 / GSI Maps|国土地理院”. maps.gsi.go.jp. 2023年12月2日閲覧。
  13. ^ 立川康人, 太田裕司, 宝馨「東海豪雨時の野並地区における浸水とその対策に関する考察」『京都大学防災研究所年報. B』第44巻B-2、京都大学防災研究所、2001年4月、267-275頁、CRID 1050282676914459904、hdl:2433/80561ISSN 0386-412X、NAID 80012838773。 
  14. ^ “名古屋の橋・橋跡マップ”. 2023年2月13日閲覧。
  15. ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1989, p. 1475.

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、郷下川に関連するカテゴリがあります。
  • 道路・河川等監視情報システム
  • 野並学区避難行動マップ
天白川水系
天白川三本木川(本木川)・米野木川・平針川・赤池川・黒末川・本郷川・植田川)
天白川の一次支川
  • 扇川(黒末川・扇子川・藤川・相原川)
  • 新川(百々川)
  • 中川(大江川・中井用水・中江川・中江用水・中江排水路・中井川・中井渠・八事川・桜用水)
  • 藤川(黒末川)
  • 地蔵川(島田川)
  • 植田川(井堀川・高針川・社川・藤森川・天白川)
  • 大根川
  • 忠兵衛川(細口川)
  • 繁盛川(半森川・繁森川・竹田川)
  • 豊田川(箕午川)
  • 郷東川(後口川・山田川)
  • 小川(高上川・山用川)
  • 折戸川(野方川)
  • 高上川
  • 岩崎川(岩藤川・岩藤新田川・天白川)
  • 黒木川
  • 細口川
扇川の支川
  • 大高川
  • 志水川(清水川)
  • 南越川(小新川)
  • 新川(百々川)
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  • 手越川(藍染川・鎌研川・鎌研場川)
  • 六条川
  • 細根川
  • 旭出川
  • 滝ノ水川
  • 敷田川
  • 大清水川
  • 籠山川
  • 水広下川
  • 水広下川(諸木川)
  • 細口川
  • 神沢川(要池川)
  • 赤松川
大高川の支川
  • 瀬木川(木之山川・大高川)
志水川の支川
  • 太鼓田川
手越川の支川
  • 太鼓田川(緒川道川・鼓田川)
  • 手越小川
  • 鴻ノ巣川
  • 中平部川(桶廻間川)
中平部川の支川
  • 平部川(大谷川)
細根川の支川
  • 細根川
旭出川の支川
  • 地獄沢(地蔵沢・堀越川(高根清水川)
新川の支川
  • 最中川
  • 真池川(薮下川)
藤川の支川
  • 郷下川(村下川・古川)
郷下川の支川
  • 笹原排水路
植田川の支川
  • 萱野排水路
  • 八事裏川
  • 御納戸川(旧・上流)
  • 前川(前渓)
  • 松下川
  • 後田川
前川の支川
  • 前川
  • 前川
豊田川の支川
  • 谷の川
折戸川の支川
  • 井田川
  • 福豊西用水
  • 藤塚用水
岩崎川の支川
  • 本田川
  • 菊水川
  • 竹田川
  • 北新田川(新田川)
  • 大清水川
北新田川の支川
その他
  • 南柴田川水路(□□□川)
  • (大江川)
  • 中井用水(大江川・中川・中江川・中江用水・中江排水路・中井川・中井渠・八事川・桜用水)
  • 白雲砂口排水路
  • □□南北村用水
  • 御納戸川
  • 牧野池用水
  • 愛知用水(接続)
景勝地
  • 天白護床工
  • 天白渓
  • 菊水の滝(岩崎滝・六坊の滝)
流域の市町村行政区
名古屋市