北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(きたちょうせんによるらちもんだいとうにかんするとくべついいんかい)は、日本衆議院及び参議院に設置されている特別委員会国会法第45条の規定に基づき設置されている。拉致問題特別委員会とも略される。

概要

北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会は、衆議院と参議院に置かれている特別委員会である。北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会が国会に最初に置かれたのは、衆議院が2004年11月30日(第161回国会 2004年10月12日召集)[1]、参議院が2004年6月2日(第159回国会 2004年1月19日召集)[1]である。現在まですべての国会で設置されている。 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会は、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立を目的に設置されている。

委員の選任は、すべて議長の指名によって行われる(衆議院規則37条・参議院規則30条1項)。実際には、各議院運営委員会において、各会派の議席数に応じて各委員会の委員の員数も配分され、個別の人事は配分された員数の範囲内で各会派によって行われる。

委員長は、委員の互選(国会法45条)で選任されると定められているが、投票によらないで動議によって選出されることがほとんどである。委員長の選挙は年長者が主催することになっている(衆議院規則101条・参議院規則80条)。事前に各会派間で協議された特別委員長各会派割当てと会派申出の候補者に基づいておこなわれる。なお、委員長に事故があった場合は理事が職務を行うことになっている(衆議院規則38条2項・参議院規則31条3項)。

理事の選任は委員の互選(衆議院規則38条1項・参議院規則31条)となっているが、委員会設置以来すべて委員長の指名により行われている。理事の員数および各会派割当ては議院運営委員会で決定した基準により、選挙など会派の構成が大きく変わった際に見直される。

衆議院

  • 衆議院における委員の選任は、総選挙後初めて召集される会期の始めに行われる(国会法第42条および衆議院委員会先例集9号)か、国会法または衆議院規則の改正により必要となったとき(衆議院委員会先例集10号)のみであり、その他の場合は異動とみなし、委員の辞任と補欠選任で対処することになっている。
  • 多くの会派は、総選挙後の国会と毎年に召集される臨時国会の冒頭で各委員の構成を見直すことを例としていることから、実際に委員の構成が大きく変わるのはその際である。
  • 委員の会派割当数は所属議員の比率により議院運営委員会において決定される(国会法第46条および衆議院委員会先例集12号)。

組織

衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の員数は25人である(衆議院規則100条)。委員長1名、理事8名が選出または指名される。

衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の組織
2021年(令和3年)12月6日現在
  • 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長

所管事項

衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の所管事項は次の通り。

  1. 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立

国政調査案件

  1. 北朝鮮による拉致問題等に関する事項

参議院

組織

参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の員数は20人である(参議院規則78条)。委員長1名、理事4名が選出または指名される。

参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の組織
2021年(令和3年)12月11日現在
  • 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長

所管事項

参議院災害対策特別委員会の所管事項は以下の通り。

  1. 北朝鮮による拉致等に関する諸問題の調査とその対策樹立

国政調査案件

  1. 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する事項

所管国務大臣等

委員会が審査又は調査を行うときは、政府に対する委員の質疑は、国務大臣又は内閣官房副長官副大臣若しくは大臣政務官に対して行う(参議院規則42条の2)。どの国務大臣等に対して出席を求めるかは、各議院の委員会において、委員長及び理事の協議で決定される。北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会において出席を求められる主な国務大臣等は、以下の通り。

  • 以上の国務大臣の下に置かれる内閣官房副長官、副大臣、大臣政務官など。

衆議院の歴代委員長

氏名 在任 所属政党
赤城徳彦 2004年11月30日 - 2005年11月1日 自由民主党
平沢勝栄 2005年11月1日 - 2006年9月28日 自由民主党
小島敏男 2006年9月28日 - 2007年9月10日 自由民主党
山本拓 2007年9月10日 - 2008年9月29日 自由民主党
柳本卓治 2008年9月29日 - 2009年9月18日 自由民主党
城島光力 2009年9月18日 - 2010年6月16日 民主党
中山義活 2010年6月16日 - 2010年10月1日 民主党
奥村展三 2010年10月1日 - 2011年9月13日 民主党
中津川博郷 2011年9月13日 - 2012年7月10日 民主党
吉良州司 2012年7月10日 - 2012年10月29日 民主党
松原仁 2012年10月29日 - 2012年12月27日 民主党
山本拓 2012年12月27日 - 2014年9月29日 自由民主党
平沢勝栄 2014年9月29日 - 2015年1月26日 自由民主党
竹本直一 2015年1月26日 - 2016年1月4日 自由民主党
今津寛 2016年1月4日 - 2016年9月26日 自由民主党
城内実 2016年9月26日 - 2017年9月28日 自由民主党
江藤拓 2018年1月22日 - 2018年10月24日 自由民主党
山口壯 2018年10月24日 - 2019年10月4日 自由民主党
渡辺博道 2019年10月4日 - 2020年9月18日 自由民主党
古川禎久 2020年10月27日 - 2021年10月8日 自由民主党
三原朝彦 2021年10月8日 自由民主党
長島昭久 2021年11月11日 - 現職 自由民主党

参議院の歴代委員長

氏名 在任 所属政党
野間赳 2004年6月2日 - 2004年7月30日 自由民主党
清水嘉与子 2004年7月30日 - 2004年10月12日 自由民主党
内藤正光 2004年10月12日 - 2005年9月29日 民主党
広野允士 2005年9月29日 - 2006年9月28日 民主党
森裕子 2006年9月28日 - 2007年9月10日 民主党
下田敦子 2007年9月10日 - 2009年1月5日 民主党
藤田幸久 2009年1月5日 - 2009年10月26日 民主党
前田武志 2009年10月26日 - 2010年10月1日 民主党
白眞勲 2010年10月1日 - 2011年9月13日 民主党
大塚耕平 2011年9月13日 - 2012年10月29日 民主党
徳永久志 2012年10月29日 - 2013年7月28日 民主党
小泉昭男 2013年8月7日 - 2014年9月29日 自由民主党
中曽根弘文 2014年9月29日 - 2016年1月4日 自由民主党
中原八一 2016年1月4日 - 2016年7月25日 自由民主党
塚田一郎 2016年8月1日 - 2016年9月26日 自由民主党
山谷えり子 2016年9月26日 - 2019年10月4日 自由民主党
丸川珠代 2019年10月4日 - 2020年9月18日 自由民主党
山谷えり子 2020年10月27日 -(現職) 自由民主党

脚注

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  1. ^ a b 北朝鮮による日本人拉致に対する我が国の取組― 拉致被害者5名の帰国から10年間の経緯― 7.国会の動き──特別委員会の設置

外部リンク

  • 衆議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 委員名簿 - 衆議院
  • 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 委員名簿 - 参議院
日本の旗 日本人拉致問題
日本の旗 法令
日本の旗 団体・運動
日本の旗 政府・議会
日本の旗 拉致被害者
日本の旗 特定失踪者
(拉致濃厚)
  • 斉藤裕
  • 大屋敷正行
  • 藤田進
  • 遠山文子
  • 国広富子
  • 山本美保
  • 佐々木悦子
  • 福山ちあき
    (※北朝鮮で目撃された人物のみ)
朝鮮民主主義人民共和国の旗拉致被害者(朝鮮籍)
  • 高敬美
  • 高剛
被害者家族
実行犯
被害者居住地
大韓民国の旗 韓国人拉致問題
大韓民国の旗 拉致被害者
中華人民共和国の旗 中国人拉致問題
  • 2012年中国漁船シージャック事件(中国語版)
  • 2013年中国漁船シージャック事件(中国語版)
中華人民共和国の旗 拉致被害者
  • 孔令譻
  • 蘇妙珍
  • イ・ソングァン
  • イ・ギチョン
各国の拉致問題
タイ王国の旗 タイ人拉致
マラヤ連邦の旗 マレーシア人拉致
  • 葉玉芬(Yeng Yoke Fun)
  • 葉美玲(Yap Me Leng)
  • 司徒戴琴(Seetoh Tai Thim)
  • 王玉珠(Margaret Ong Guat Choo)
シンガポールの旗 シンガポール人拉致
  • 黃錦瑛(Diana Ng Kum Yim)
ルーマニアの旗 ルーマニア人拉致
レバノンの旗 レバノン人拉致
アメリカ合衆国の旗 アメリカ人拉致
朝鮮民主主義人民共和国の旗 外国人拘留・外国人捕虜
アメリカ合衆国の旗 米国人脱走兵(拉致被害者家族)