不惑のスクラム

不惑のスクラム
著者 安藤祐介
発行日 2016年3月30日
発行元 KADOKAWA
ジャンル 長編小説
スポーツ小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 280
公式サイト www.kadokawa.co.jp
コード ISBN 978-4-04-103902-1
ISBN 978-4-04-107012-3(文庫判
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

不惑のスクラム』(ふわくのスクラム)は、安藤祐介による長編小説2016年3月30日角川書店KADOKAWA)より刊行された。40歳以上の選手による「シニアラグビー」を題材に、社会の中でそれぞれ問題を抱えながらも週末にラガーマンとして集う年代も多様な大人たちが、仲間と心を通わせつつ自らの人生を見つめ直していく姿を描く[1][2]2018年8月24日角川文庫より文庫化された。

ラグビーワールドカップ2019」の日本開催を翌年に控えた2018年9月に、NHK大阪放送局の制作により[3]NHK総合テレビの「土曜ドラマ」枠にてテレビドラマ化された[4][5]

概要

ラグビーワールドカップ2015」に先立つ2014年1月、前作『テノヒラ幕府株式会社』の執筆に向けてベンチャー企業の社長を取材していた著者は、本作にも登場するニュー新橋ビル内の蕎麦店へと誘われて、仕事の話は差し置いて「それよりラグビーの話は書かないの?」「今度練習来いよ」と「シニアラグビー」への勧誘を受ける。以来約2年間にわたり、ラグビー経験もなくもとより「球技は超苦手」と語る著者は「鬼ごっこ味噌っカス」のような形で練習に参加し、試合後の飲み会(ファンクション)に参加する中で、体力も経験も異なるメンバーがラグビーが好きという一点のみで集うシンプルさ、休日に別の顔を持つという面白さに惹かれ、「来る者は拒まず」という懐の深さから「ここにもし過去に罪を犯した人間がいたら?」と本作の着想に至る[6]。「ラグビーワールドカップ2015」を経て、現実に即して作中の物語や描写に手を加えつつ、本作を完成させた[2]

2016年3月の刊行後まもなくより多くの書店員から「共感した」「泣きながら読んだ」などと支持を得て、同年5月の重版出来時にはラグビー日本代表選手の大野均も賛辞を寄せている[2]

あらすじ

6年前、通勤電車の中で痴漢と疑われ犯人扱いした男性客を蹴ってしまった丸川良平は、相手が打ち所悪く死亡したことで傷害致死罪により懲役6年の刑を受ける。妻へ離婚を申し出て、当時2歳だった娘とも別れる。

出所後の日雇いで食い繋ぎインターネットカフェで寝る日々に疲弊し、死に場所を求めて江戸川河川敷に辿り着いた丸川の目前に、近くで練習していた中年男たちのラグビーチームのボールが転がってくる。高校時代にフルバックとして活躍した丸川が蹴り返したボールはきれいな弧を描き、立ち去ろうとした丸山は「一緒にラグビーやりませんか」と老ラガーマンの宇多津貞夫に呼び止められ、宇多津が23年前に創設した40歳以上のシニアラグビーチーム「大江戸ヤンチャーズ」に加わることとなる。

丸川がラグビーをやめ、家族と別れ、命を絶とうとするまでに至る秘密が次第に明かされる一方で、チームメイトたちがそれぞれ社会の中で抱える事情が次々に浮き彫りとなり、丸川の変化とともにチームメイトたちの人生にも新たな変化が訪れる[6][7]

登場人物

書誌情報

  • 不惑のスクラム(2016年3月30日、KADOKAWA角川書店〉、ISBN 978-4-04-103902-1)
  • 不惑のスクラム(2018年8月24日、KADOKAWA〈角川文庫〉、ISBN 978-4-04-107012-3)

テレビドラマ

不惑のスクラム
ジャンル テレビドラマ
原作 安藤祐介
脚本 櫻井剛
演出 東山充裕
鈴木航
出演者 高橋克典
渡辺いっけい
村田雄浩
徳井優
上杉祥三
松尾諭
高橋光臣
中村ゆりか
戸田菜穂
竹中直人
夏木マリ
萩原健一
音楽 岩代太郎
製作
制作統括 三鬼一希
城谷厚司
プロデューサー 長谷知記
製作 NHK大阪放送局
放送
放送国・地域日本の旗 日本
不惑のスクラム
放送チャンネルNHK総合
放送期間2018年9月1日 - 10月13日
放送時間土曜 20:15 - 20:43
放送枠土曜ドラマ
各話の長さ29
回数7
公式ウェブサイト
「不惑のスクラム」スペシャル
放送チャンネルNHK総合
放送期間2019年9月16日
放送時間月曜 13:51 -
回数1
テンプレートを表示

NHK大阪放送局の制作により[3]NHK総合の「土曜ドラマ」枠にて2018年9月1日から10月13日まで放送された。全7回。10代のころにラグビーのプレー経験がある高橋克典が主演を務めた[4][5]

「不惑のスクラム」スペシャルがNHK総合にて2019年9月16日の13時51分から放送[8]

原作から舞台は大阪に移され、チーム名も「大坂淀川ヤンチャーズ」である。

キャスト

主要人物

その他

スタッフ

放送日程

放送回 放送日 サブタイトル 演出
第1回 09月01日 老いてなおヤンチャであれ! 東山充裕
第2回 09月08日 オヤジの居場所
第3回 09月15日 シャドウ・キャプテン 鈴木航
第4回 09月22日 命のパス
第5回 09月29日 トライのある人生 東山充裕
第6回 10月06日 ワンフォーオール・オールフォーワン 鈴木航
最終回 10月13日 グラウンドで会いましょう 東山充裕

関連商品

CD

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “不惑のスクラム 安藤 祐介:文芸書”. KADOKAWA. 2018年8月7日閲覧。
  2. ^ a b c 『ラグビー日本代表・大野均選手、絶賛!! 今話題のラグビー小説、安藤祐介著『不惑のスクラム』重版出来!!』(プレスリリース)KADOKAWA、2016年5月26日。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002363.000007006.html2018年8月7日閲覧 
  3. ^ a b “萩原健一さんら出演で土曜ドラマ”. 関西 NEWS WEB (日本放送協会). (2018年7月30日). https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180730/0004747.html 2018年8月7日閲覧。 
  4. ^ a b “高橋克典さん主演『不惑のスクラム』制作開始!”. NHKドラマ. 日本放送協会 (2018年7月3日). 2018年8月7日閲覧。
  5. ^ a b c “高橋克典が“中年ラガーマン”に!「かっこ悪くてカッコいいオヤジたちの青春群像ドラマ」”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2018年7月3日). https://thetv.jp/news/detail/153031/ 2018年8月7日閲覧。 
  6. ^ a b 橋本紀子 (2016年5月4日). “【著者に訊け】安藤祐介氏 ラグビー小説『不惑のスクラム』”. NEWSポストセブン (小学館). https://www.news-postseven.com/archives/20160504_406852.html 2018年8月8日閲覧。 
  7. ^ 宇田川拓也 (2016年4月). “安藤祐介『不惑のスクラム』 いまもっとも社会人の涙腺を熱く弛ませ得る傑作”. カドカワストア. カドナビ 新刊ブックレビュー. KADOKAWA. 2018年8月8日閲覧。
  8. ^ “NHK「不惑のスクラム」スペシャル放送”. ケイダッシュ公式ウェブサイト (2019年9月4日). 2019年9月6日閲覧。
  9. ^ a b “高橋克典主演『不惑のスクラム』 追加キャストに萩原健一”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年7月30日). https://www.oricon.co.jp/news/2116595/full/ 2018年8月7日閲覧。 
  10. ^ クラージュキッズの2018年9月8日のツイート、2018年9月8日閲覧。
  11. ^ HIRATA BEANS (2018年8月31日). “根本真陽 出演情報”. HIRATA BEANS Official Blog. ヒラタオフィス. 2018年8月31日閲覧。
  12. ^ クラージュキッズの2018年9月1日のツイート、2018年9月1日閲覧。
  13. ^ “不惑のスクラムの登場人物(キャスト)一覧”. ザテレビジョン. KADOKAWA. 2018年8月28日閲覧。

関連項目

  • 『おじゃまんが山田くん』 - 物語は東京の江戸川沿いであるが、舞台のモデルは作者の過ごした大阪の淀川沿いである。

外部リンク

  • 不惑のスクラム 安藤 祐介:文芸書 - KADOKAWA
  • 不惑のスクラム 安藤 祐介:文庫 - KADOKAWA
  • 不惑のスクラム - ウェイバックマシン(2018年8月31日アーカイブ分) - NHK 土曜ドラマ
  • 土曜ドラマ 不惑のスクラム - NHK放送史
NHK総合 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
バカボンのパパよりバカなパパ
(2018年6月30日 - 7月28日)
不惑のスクラム
(2018年9月1日 - 10月13日)
土曜ドラマ
※ 特記がない限りは21時放送、「*」…20時放送。「★」…22時放送。
 
第1次(1975年 - 1984年)
1975年 - 1979年

遠い接近 - 中央流沙 - 愛の断層 - 事故 - この町の人 - 愛染かつら - 生ける人形 - 浪華悲歌 - 限りなき前進 - 男たちの旅路(第1部) - 花に棲む - 寺島町奇譚 - 紅い花 - 閃光の遺産 - 高層の死角 - 轢き逃げ - 暗い落日 - 男たちの旅路(第2部) - 堂々たる打算 - およね平吉時穴道行 - 終りなき負債 - もしも・あの時 - 棲息分布 - 最後の自画像 - 依頼人 - たずね人 - 男たちの旅路(第3部) - 虹の花 - 優しい時代 - 兄とその妹 - 出来ごころ - 人情紙風船 - 十字路 第一部 - 天城越え - 虚飾の花園 - 一年半待て - 火の記憶 - 十字路 第二部 - 阿修羅のごとく - 死にたがる子 - 血痕追跡 - 四角な船 - 失楽園'79 - 大阪親不孝通り - 大阪発-あした - 男たちの旅路(第4部) - 素直な戦士たち

1980年 - 1984年

阿修羅のごとく パート2 - 離婚 - 天才画の女 - 空白の900分―国鉄総裁怪死事件― - 暁は寒かった―誰かが母を殺した日― - さらばきらめきの日々 - 魂の夏 - 蛇蝎のごとく - わが青春のブルース - 踊る - 君はまだ歌っているか - タクシー・サンバ - 価格破壊 - けものみち - 大阪ドン・キホーテ - 横浜物語 - 遠雷と怒涛と - 噂になった女たち - 私の父の反乱 - 希望 - 翔べ!南十字星号 - 追跡 - 白き抗争 - 欲望 - 日だまり - 波の塔 - 話すことはない - 華族の女 - わたしの名は女です - 青春スクランブル

 
第2次(1988年 - 1998年)
1988年 - 1989年

結婚する手続き - カイワレ族の戦い - 十九歳 - ときめき宣言 - 翔べひよっ子 - 夕陽をあびて - 兄弟 〜あにおとうと〜

1990年 - 1994年

別の愛 - 家族の値段 - 恋愛模様 - 理想の男性 - 新十津川物語 明治編 - チロルの挽歌 - - 新十津川物語 大正編 - 新・王将 - オバサンなんて呼ばないで! - 恐怖の航海 - 潮風のサラ - 春むかし - 新十津川物語 昭和編 - 愛を忘れないで - 流れてやまず - 地球をダメにする50のかんたんな方法 - パパ嘘だと言って - 推定有罪 - とおせんぼ通り - 欅の家 - 大草原に還る日 - 私が愛したウルトラセブン - 消えた金塊ブリンクス・マット強奪事件 - パパとアリスの奮戦記 - ミス・ローズ・ホワイトの秘密 - 春の一族 - 系列(パート1) - オバサン、咲いた! - 三十三年目の台風 - がんばらんば 〜平成の島原大変〜 - 勇士たちの帰郷 - 街角 - エトロフ遥かなり - 愛が聞こえます - 聞こえるかい心の歌が - 五右衛門 - 銀行 男たちのサバイバル - 否認 - 幸福の条件 - 米田家の行方 - 北山一平 アイラブ人生 - 黄昏の甘い恋歌ときめき御用達・おぼっちゃまは元気印! - 系列(パート2) - 秋の一族 - 和菓子の味 - 妻よ

1995年 - 1998年

もうひとつの家族 - ゼロの焦点 - 放送記者物語 - 涙たたえて微笑せよ-明治の息子・島田清次郎 - 鏡の調書天使が街にやってきた - 家族旅行 - 天上の青 - 遠い国からの殺人者 - 八月の叫び - 刑事 蛇に横切られる - 新宿鮫 〜無間人形〜 - メナムは眠らず - されど、わが愛 - 天空に夢輝き 〜手塚治虫の夏休み〜 - やらまいか! - 夏の一族 - ストックホルムの密使 - 百年の男鯉のように百年生きろ - 一日三回食後に服用・よひんびん物語 - 大地の子 - 最後の弾丸 - 官僚たちの夏 - ランタナの花の咲く頃に - 水辺の男 - ぜいたくな家族 - 照柿 - 病院 - ちいさな大冒険 - 我等の放課後 - 秋の選択 - 憲法はまだか - 女にも七人の敵 - 新宿鮫 〜屍蘭〜 - おごるな上司! - うどんとビデオ - いのちの事件簿 〜福祉の最前線でケースワーカーは今〜 - 風のねがい - もうひとつの心臓 - 女たちの帝国 - 唄を忘れたカナリヤは… - 生前予約〜現代葬儀事情 - スズキさんの休息と遍歴 - 熱の島で〜ヒートアイランド東京 - 極楽遊園地 - 流通戦争 - 新宿鮫 〜毒猿〜 - 黄昏流星群〜恋をもう一度 - 風になれ鳥になれ - ラスト・イニング

 
第3次(2005年 - 2011年)
2005年 - 2009年

クライマーズ・ハイ - 氷壁 - 繋がれた明日 - マチベン - ディロン〜運命の犬 - 人生はフルコース - 新・人間交差点 - クライマーズ・ハイ(再) - 魂萌え! - ウォーカーズ〜迷子の大人たち - ディロン〜クリスマスの約束 - ちゅらさん4 - スロースタート - ハゲタカ - 病院のチカラ〜星空ホスピタル〜 - こんにちは、母さん - 新マチベン 〜オトナの出番〜 - 勉強していたい! - ジャッジ 〜島の裁判官奮闘記〜 - ひとがた流し - フルスイング - 刑事の現場 - トップセールス - 監査法人 - 上海タイフーン - ジャッジII 島の裁判官 奮闘記 - 刑事の現場(再) - 遥かなる絆 - 風に舞いあがるビニールシート - リミット -刑事の現場2- - 再生の町 - チャレンジド - 外事警察

2010年 - 2011年

君たちに明日はない - チェイス〜国税査察官〜 - 鉄の骨 - チャンス - TAROの塔 - チャレンジド 〜卒業〜

 
第4次(2013年 - )
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年

母、帰る〜AIの遺言〜 - みかづき - 浮世の画家 - デジタル・タトゥー - サギデカ - 少年寅次郎 - みをつくし料理帖スペシャル

2020年

心の傷を癒すということ - 三浦部長、本日付けで女性になります。 - 路〜台湾エクスプレス〜 - 天使にリクエストを〜人生最後の願い〜 - ノースライト

2021年
2022年
2023年
2024年
 
土曜ドラマスペシャル(2011年 - 2013年、2017年 - 2019年)
2011年

神様の女房 - 使命と魂のリミット - 蝶々さん〜最後の武士の娘〜 - 真珠湾からの帰還

2012年
2013年

メイドインジャパン - 火怨・北の英雄 アテルイ伝(BSプレミアムの再放送)

2017年
2018年

炎上弁護人

2019年

ベトナムのひかり〜ボクが無償医療を始めた理由〜

カテゴリ カテゴリ
  • 表示
  • 編集
スタブアイコン

この項目は、テレビ番組に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル テレビ/ウィキプロジェクト 放送または配信の番組)。

  • 表示
  • 編集