ステップ・インサイド・ラヴ

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ステップ・インサイド・ラヴ
シラ・ブラックシングル
初出アルバム『シェアーオー(英語版)
B面 I Couldn't Take My Eyes Off You
リリース
ジャンル ボサノヴァ[1]
時間
レーベル パーロフォン
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
後述を参照
シラ・ブラック シングル 年表
  • アイ・オンリー・リヴ・トゥ・ラヴ・ユー
  • (1967年)
  • ステップ・インサイド・ラヴ
  • (1968年)
  • ホエア・イズ・トゥモロウ?
  • (1968年)
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ステップ・インサイド・ラヴ」(Step Inside Love)は、シラ・ブラックの楽曲である。1967年にポール・マッカートニーがテレビ番組『シラ(英語版)』のテーマ曲として書き下ろした楽曲で、作者名はレノン=マッカートニーと表記されている。1968年3月にシングル盤として発売され、全英シングルチャートで最高位8位を記録した。

マッカートニーは、「アイ・ウィル」のセッション時にジョン・レノンリンゴ・スターと共に本作を演奏しており、当時の演奏は1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』や2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』に収録されている。

背景・リリース

ブラックはエンターテイナーを志し、リヴァプールにあるキャヴァーン・クラブでクローク係のアルバイトを開始[2]。クローク係として働いていた中で、当時キャヴァーン・クラブにレギュラー出演していたビートルズに才能を見出され、ビートルズのマネージャーであるブライアン・エプスタインに紹介された後、エプスタインのつてでジョージ・マーティンに引き合わされて、パーロフォンと契約を結んだ。1963年9月にレノン=マッカートニーが手がけた「ラヴ・オブ・ザ・ラヴド(英語版)」でデビュー[3]し、全英シングルチャートで最高位35位を記録した[4]。翌年に同じくレノン=マッカートニー作の「イッツ・フォー・ユー(英語版)」で、最高位7位を記録した[5]

「ステップ・インサイド・ラヴ」は、1968年1月30日から8週間にわたって放送されたテレビ番組『シラ』のテーマ曲としてマッカートニーが書き下ろした楽曲[1][6][注釈 1]。1967年に録音されたマッカートニーによるデモ音源は、ブリッジがなく、4度低いキーで歌われている[1]。その後、マッカートニーは歌詞を追加した1967年11月21日にロンドンにあるチャペル・サウンド・スタジオでブラックと共にセッションを行なった[7][注釈 2]。その後、正式なレコーディングを経て、マイク・ヴィッカーズ(英語版)によってアレンジが施され[1]、1968年3月8日にシングル盤として発売された[7]。シングルは全英シングルチャートで最高位8位[9]、ニュージーランドのシングルチャートで最高位12位[10]を記録。後にスタジオ・アルバム『シェアーオー(英語版)』に収録された[7]

2002年にディスクジョッキートミー・サンドゥ(英語版)は、ブラックをロニー・ウッドの自宅スタジオに呼び、「ステップ・インサイド・ラヴ」の再レコーディングを行なった。その後、サンドゥはリミックスを行ない、ブラックの60歳の誕生日を記念してTS vs CB名義で3000枚限定のクラブ・シングル(12インチ)を発売。このシングルは、『ミュージック・ウィーク(英語版)』誌のクラブ・チャートで第3位を記録した[11]

2009年に配信限定で発売されたアルバム『Cilla All Mixed Up』には、リミックス・バージョンが収録されている[12]

チャート成績

チャート (1968年) 最高位
ニュージーランド (Lever Hit Parade)[10]
12
UK シングルス (Official Charts Company)[9] 8

ビートルズによる演奏

ステップ・インサイド・ラヴ / ロス・パラノイアス
ビートルズ楽曲
収録アルバムザ・ビートルズ・アンソロジー3
英語名Step Inside Love / Los Paranoias
リリース1968年10月28日
録音1968年9月16日
ジャンルボサノヴァ[7]
時間2分30秒
レーベルアップル・レコード
作詞者
作曲者
  • レノン=マッカートニー
  • ジョージ・ハリスン
  • リチャード・スターキー
プロデュースクリス・トーマス
ザ・ビートルズ・アンソロジー3 収録曲
ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン
(DISC 1-22)
ステップ・インサイド・ラヴ / ロス・パラノイアス
(DISC 1-23)
アイム・ソー・タイアード
(DISC 1-24)

マッカートニーは、1968年9月16日の「アイ・ウィル」のセッション中にジョン・レノンリンゴ・スターと共に「ステップ・インサイド・ラヴ」を演奏した[7][6]。プロデュースは、クリス・トーマスが手がけた[7]。演奏中にマッカートニーが「Swing, à la Latina!(スウィングしよう、ラテン風に!)」とジョークを発し、「ジョエル・バレイリーズ&ザ・パレイリー・ウォールフラワーズ」と架空のバンド名をアナウンスし、レノンが「Los Paranoias(ロス・パラノイアス)」と返した[6]後、コミカルな即興演奏「ロス・パラノイアス」(Los Paranoias)に切り替わる[7]

「ステップ・インサイド・ラヴ」と「ロス・パラノイアス」は、1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に「ステップ・インサイド・ラヴ / ロス・パラノイアス」(Step Inside Love / Los Paranoias)というタイトルで1つの楽曲として収録された[7]。なお、ジョージ・ハリスンは「アイ・ウィル」のセッションに参加していない[13][14]が、作曲者としてハリスンを含む4人のメンバーの名前が表記されている[7]。また、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』のCD6には、2曲に分けて収録されている[15]

クレジット

※出典[7]

カバー・バージョン

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 2月6日放送回には、リンゴ・スターがゲスト出演している[6]
  2. ^ この日のセッションでのマッカートニーの様子が、「レディ・マドンナ」のプロモーション・フィルムに含まれている[8]

出典

  1. ^ a b c d Everett 1999, p. 150.
  2. ^ Eder, Bruce. Cilla Black Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年12月30日閲覧。
  3. ^ “ビートルズが発掘したイギリスを代表する女性歌手シラ・ブラックが他界”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2015年8月3日). https://rockinon.com/news/detail/128724 2021年12月30日閲覧。 
  4. ^ “Official Singles Chart Top 50”. Official Charts Company. 2021年12月30日閲覧。
  5. ^ “Official Singles Chart Top 50”. Official Charts Company. 2021年12月30日閲覧。
  6. ^ a b c d White Album 2018, p. 21.
  7. ^ a b c d e f g h i j Womack 2014, p. 870.
  8. ^ Winn 2009, p. 157.
  9. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2021年12月30日閲覧。
  10. ^ a b “Cilla Black - Flavour of New Zealand”. Flavour of New Zealand. 2021年12月31日閲覧。
  11. ^ “'STEP INSIDE LOVE' CLUB SINGLE”. www.cillablack.com. 2010年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月31日閲覧。
  12. ^ “Cilla All Mixed Up / Beginnings: Revisited”. Official Cilla Black Website. 2018年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月31日閲覧。
  13. ^ MacDonald 2005, p. 315.
  14. ^ ルウィソーン, マーク『ビートルズ/レコーディング・セッション』内田久美子(訳)、シンコー・ミュージック、1998年(原著1990年)、193-194頁。ISBN 978-4401612970。 
  15. ^ “ザ・ビートルズ、ホワイト・アルバム50周年記念盤が登場”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2018年9月25日). 2021年12月31日閲覧。
  16. ^ Candlelight, Wine and Charlie - Charlie McCoy | Release Info - オールミュージック. 2021年12月31日閲覧。
  17. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Kojak Variety [Expanded] - Elvis Costello | Release Info”. AllMusic. AllMusic, Netaktion. 2021年12月31日閲覧。

参考文献

  • Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. Oxford University Press. ISBN 0-1951-2941-5 
  • ハウレット, ケヴィン (2018). ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉 (ブックレット). ビートルズ. アップル・レコード.
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised Edition ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-844-13828-3 
  • Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966-1970. New York, NY: Three Rivers Press. ISBN 978-0-3074-5239-9 
  • Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four [2 Volumes]. ABC-CLIO. p. 443. ISBN 0-3133-9172-6 

外部リンク

  • Step Inside Love / Los Paranoias - The Beatles
  • Step Inside Love / Los Paranoias - Genius(英語版)の歌詞ページ
典拠管理データベース ウィキデータを編集
  • MusicBrainz作品