ジーノ・スミス

ジーノ・スミス
Geno Smith
refer to caption
 ニューヨーク・ジェッツ時代(2016年)
シアトル・シーホークス #7
ポジション クォーターバック
生年月日 (1990-10-10) 1990年10月10日(33歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フロリダ州マイアミ
身長: 6' 3" =約190.5cm
体重: 221 lb =約100.2kg
経歴
大学 ウェストバージニア大学
NFLドラフト 2013年 / 2巡目全体39位
初出場年 2013年
初出場チーム ニューヨーク・ジェッツ
所属歴
2013-2016 ニューヨーク・ジェッツ
2017 ニューヨーク・ジャイアンツ
2018 ロサンゼルス・チャージャーズ
2019- シアトル・シーホークス
受賞歴・記録
プロボウル選出(1回)
2022
その他受賞・記録
AP通信NFL年間最優秀カムバック賞 (2022年)
NFL 通算成績
(2022年終了時点)
TD/INT 64/48
パス成功率 62.8%
パス獲得ヤード 11,199
QB レーティング 84.8
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

ユージーン・シリル・スミス3世Eugene Cyril "Geno" Smith III1990年10月10日 - )はアメリカ合衆国フロリダ州マイアミ出身のアメリカンフットボール選手。ポジションはクォーターバック(QB)。現在はNFLシアトル・シーホークスに所属している。

経歴

プロ入り前

ウェストバージニア大学時代

ウェストバージニア大学ではスプレッドオフェンスで活躍、2011年には4,385ヤード、31TD、7INTの成績をあげた。またオレンジボウルトム・ブレイディの記録を破る401ヤードを獲得した。2012年のベイラー大学戦ではパス51回中45回成功、656ヤードを獲得、8TDパスを成功させた[1]。シーズン最終戦のカンザス大学戦ではパス24回中23回成功、パス成功率95.8%のNCAA新記録を樹立した[2]

2013年2月24日のNFLスカウティング・コンバインの40ヤード走で4秒59をマークした[3]。ドラフト前の4月1日、プロフットボール・ウィークリーから練習態度への疑問視や、コンバインでのインタビューセッションなどについて、否定的な意見が書かれ、ドラフトQBランキング6位と低い評価を受けた[4]。この批判報道に対してスミスはUSAトゥデイのインタビューで反論、ウェストバージニア大学のQBコーチも、彼をこれまでに指導した中で最も熱心に練習する選手の1人だと賞賛した[5]

ニューヨーク・ジェッツ

2013年の注目QBとしてリストアップされていたスミスは1巡目で指名されると予想されていたが、その予想に反して2巡目(全体39番目)でニューヨーク・ジェッツに指名された。ドラフト直後にスミスは代理人であるセレクト・スポーツ・グループ社を解雇[6]ジェイ・Zが所有するスポーツ代理人会社「Roc Nation」を新しい代理人に採用した[7]。7月22日にジェッツと4年総額約500万ドルで契約に合意した[8]。8月9日に行われたプレシーズン第1週のデトロイト・ライオンズ戦で足首を痛めて負傷交代した[9]。8月14日のチーム練習で4INTを喫した[10]。プレシーズンでは第3週のニューヨーク・ジャイアンツ戦では前半だけで3INTを喫する[11]など先発候補としての実力が不安視された。しかしマーク・サンチェスの負傷もあり、開幕戦に先発出場することが発表された[12]

第2週のニューイングランド・ペイトリオッツ戦では第4Qに3インターセプトを喫して敗れた。この敗戦後、ドラフト外で入団したマット・シムズ待望論も出た[13]。第3週のバッファロー・ビルズ戦では第4Qにスティーブン・ヒルへの69ヤードのTDパスを決めて、27-20で勝利した[14]。11月の4試合ではTDパス0、7インターセプトと精彩を欠いた[15]。第13週のマイアミ・ドルフィンズ戦では前半で降板し、マット・シムズが交代出場したがチームは2試合連続で3点しか取れなかった[16]。第16週のクリーブランド・ブラウンズ戦ではパス36回中20回成功、214ヤード、2TD、インターセプトなし、10回のランで48ヤード、1TDをあげて24-13で勝利した[17]。この年は3,046ヤード獲得、12タッチダウン、被インターセプト21回という成績であった[18]

2014年シーズンは先発QBに指名され、開幕戦のオークランド・レイダース戦こそ勝利するも、その後は8連敗を喫し、マイケル・ヴィックに先発を譲る試合もあった。最終的にチームは4勝12敗、スミスは14試合で2,525パス獲得ヤード、13タッチダウン、被インターセプト13回という成績であった[19]

2015年、シーズン開幕直前にロッカールームでお金の貸し借りでトラブルとなったチームメイトに殴られアゴを骨折[20]。この怪我のせいでわずか1試合しか出場することができなかった。この間に代役QBのライアン・フィッツパトリックが好成績を収めたこともあり、スミスはバックアップに回ることとなった。

2016年も控えとして起用され、試合出場はわずか2試合に留まった。

ニューヨーク・ジャイアンツ

2017年3月、ニューヨーク・ジャイアンツに移籍した[21]2017年シーズンイーライ・マニングに代わり1試合に先発した。

ロサンゼルス・チャージャーズ

2018年4月1日、チャージャーズと契約[22]。 主にフィリップ・リバースのバックアップとしてプレーしたがわずか5試合で8ヤードのパス獲得に留まった。

シアトル・シーホークス

2019年5月15日にシアトル・シーホークスと契約した[23]

シーホークスでもバックアップとして、正QBラッセル・ウィルソンの控えであったが、2021年シーズン第5週にウィルソンが指を怪我し、負傷者リスト入りしたため[24]、第6週のピッツバーグ・スティーラーズ戦にて4年ぶりの先発出場を果たした。しかしチームはオーバータイムの末20-23で敗れた[25]

2022年シーズン、開幕前にウィルソンがデンバー・ブロンコスへトレード移籍したため、スミスは空いたレギュラーの座をウィルソンのトレード相手であるドリュー・ロックと争うこととなり[26]、プレシーズンゲームでより好成績を収めたスミスが開幕戦の先発QBの座を勝ち取った[27]。 開幕戦ではいきなりウィルソンの所属しているブロンコスと対戦、2つのタッチダウンを挙げ17-16で勝利を収めた[28]。第4週のデトロイト・ライオンズ戦ではルーキーイヤー以来となる週間MVPに選出された[29]。さらに10月はパス147回中102回成功で成功率69.4%・パス1,207ヤード・9タッチダウン・1インターセプト・レーティング111.7・ラン143ヤード・1タッチダウンランを記録し、月間MVPに輝いた[30]。このシーズンは全試合で先発し、シーホークスのフランチャイズ記録となるパス4,282ヤードを記録した他、パス成功率69.8%はNFLトップの成績であり、チームも9勝8敗の成績でプレーオフに導いた。

ポストシーズンではワイルドカードで同地区のサンフランシスコ・フォーティナイナーズと対戦。自身初となるプレーオフでの先発試合であったこの試合にて、スミスはパス253ヤード獲得・タッチダウンパス2回を記録したが、23-41で敗れた。このシーズン、AP通信カムバック賞を受賞した。オフにシーホークスと3年1億500万ドルの契約に合意した [31]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “Geno Smith, West Virginia outlast Baylor in historic Big 12 shootout”. スポーツ・イラストレイテッド (2013年5月6日). 2013年9月28日閲覧。
  2. ^ “世代トップの司令塔 QB不作の評価を覆せるか”. NFL JAPAN. 2013年9月28日閲覧。
  3. ^ “ドラフト注目のQBスミス、40ヤード走で俊足をアピール”. NFL JAPAN (2013年2月25日). 2013年9月28日閲覧。
  4. ^ “ドラフト注目株のQBスミス、練習態度を疑問視する声も”. NFL JAPAN (2013年4月2日). 2013年9月28日閲覧。
  5. ^ “ドラフト指名への影響は? 注目株QBスミス、批判報道に反論”. NFL JAPAN (2013年4月3日). 2013年9月28日閲覧。
  6. ^ “1巡指名を逃したQBジーノ・スミス、代理人を解雇”. アメフトNewsJapan (2013年4月30日). 2013年9月28日閲覧。
  7. ^ “QBジーノ・スミス、Jay-Zの代理人会社を採用”. アメフトNewsJapan (2013年5月22日). 2013年9月28日閲覧。
  8. ^ “ジェッツ、ドラフト2巡指名のQBスミスと4年契約”. NFL JAPAN (2013年7月23日). 2013年9月5日閲覧。
  9. ^ “ジェッツ新人QBスミスが負傷交代、サンチェスは1TDも1INT”. NFL JAPAN (2013年8月10日). 2013年9月28日閲覧。
  10. ^ “負傷が原因? 新人QBスミス大乱調で先発争い決着か”. NFL JAPAN (2013年8月15日). 2013年9月28日閲覧。
  11. ^ Josh Alper (2013年8月25日). “Stevie Brown likely out for year with torn ACL, Aaron Curry cut by Giants”. NBCスポーツ. 2013年9月29日閲覧。
  12. ^ “開幕戦は新人スミスが先発も… ジェッツの先発QB争いの行方はいまだ不透明”. NFL JAPAN (2013年9月5日). 2013年9月5日閲覧。
  13. ^ “ジェッツ新人QBスミス、同僚シムズ待望論を一掃”. NFL JAPAN (2013年9月17日). 2013年9月28日閲覧。
  14. ^ “新人QB対決はスミスに軍配、ジェッツがビルズとの乱戦制す”. NFL JAPAN (2013年9月23日). 2013年9月28日閲覧。
  15. ^ “ジェッツ、不振の新人QBスミスを先発続投”. NFL JAPAN (2013年11月26日). 2013年12月23日閲覧。
  16. ^ “不振QBスミスついに降板 ジェッツ 2試合連続 3点で敗戦”. TSPスポーツ (2013年12月2日). 2013年12月23日閲覧。
  17. ^ “新人QBスミスが3TD、ジェッツ本拠地最終戦で勝利”. NFL JAPAN (2013年12月23日). 2013年12月23日閲覧。
  18. ^ “Geno Smith”. Pro Football Reference. 2021年11月2日閲覧。
  19. ^ “Geno Smith 2014 Game Log” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2021年11月2日閲覧。
  20. ^ “600ドル貸し借りで…ジェッツQBスミス、同僚に殴られあご骨折”. スポーツニッポン. (2015年8月12日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/08/12/kiji/K20150812010923410.html 2021年11月2日閲覧。 
  21. ^ “ジャイアンツ、元ジェッツのQBスミスと1年契約で合意”. NFL JAPAN (2017年3月21日). 2018年2月9日閲覧。
  22. ^ “チャージャーズがバックアップとして元ジャイアンツのQBスミスを獲得”. NFL JAPAN (2018年4月2日). 2018年5月31日閲覧。
  23. ^ “シーホークス、バックアップQBにジーノ・スミスを獲得”. NFL JAPAN (2019年5月16日). 2019年11月4日閲覧。
  24. ^ “シーホークスがQBウィルソンをIRに登録、少なくとも3戦を欠場”. NFL JAPAN (2021年10月16日). 2021年10月20日閲覧。
  25. ^ “シーホークスQBスミス、「俺のせいだ」とオーバータイムでのファンブルを嘆く”. NFL JAPAN (2021年10月19日). 2021年10月20日閲覧。
  26. ^ “ロックとスミスのQB争いにタイムラインは設けないとシーホークスHCキャロル”. NFL JAPAN. (2022年8月23日). https://nfljapan.com/headlines/79327 2022年10月25日閲覧。 
  27. ^ “シーホークスのシーズン第1週先発QBはジーノ・スミス”. NFL JAPAN. (2022年8月27日). https://nfljapan.com/headlines/79484 2022年10月25日閲覧。 
  28. ^ “QBウィルソンに大ブーイング 古巣シーホークスに開幕戦黒星”. AFPBB News. (2022年9月13日). https://www.afpbb.com/articles/amp/3423577 2022年10月25日閲覧。 
  29. ^ “シーズン第4週の最優秀選手にシーホークスQBスミス、チーフスQBマホームズが輝く”. NFL JAPAN. (2022年10月6日). https://nfljapan.com/headlines/81153 2022年10月25日閲覧。 
  30. ^ “QBジーノ・スミス含むシーホークスの3名が10月の最優秀選手に選出”. NFL JAPAN. (2022年11月4日). https://nfljapan.com/headlines/82343 2023年1月15日閲覧。 
  31. ^ “シーホークスとQBスミスが3年142億円の新契約に合意”. NFL JAPAN. (2022年3月7日). https://nfljapan.com/headlines/87057 2023年3月7日閲覧。 

外部リンク

  • 通算成績と情報 NFL.com, or ESPN, or Pro-Football-Reference (英語)

ウィキメディア・コモンズには、ジーノ・スミスに関するカテゴリがあります。


シアトル・シーホークス 2023
クォーターバック

ランニングバック

ワイドレシーバー

タイトエンド

  • 89 ウィル・ディズリー
  • 87 ノア・ファント
  • 84 コルビー・パーキンソン
  • 38 ブレイディ・ラッセル
オフェンシブライン
  • 75 アンソニー・ブラッドフォード G
  • 63 エバン・ブラウン C
  • 67 チャールズ・クロス T
  • 66 マクレンドン・カーティス G
  • 78 ストーン・フォーサイス T
  • 72 エイブラハム・ルーカス T
  • 79 レイクウォン・オニール T
  • 51 オルセグン・オルワティミ C
  • 70 ジェイソン・ピータース T

ディフェンシブライン

  • 95 マイルズ・アダムズ DE
  • 97 マリオ・エドワーズ・ジュニア DE
  • 55 ドレモント・ジョーンズ DE
  • 90 ジャラン・リード DE
  • 99 レナード・ウィリアムズ DE
  • 93 キャメロン・ヤング NT
ラインバッカー
  •  0 デビン・ブッシュ・ジュニア ILB
  • 58 デリック・ホール OLB
  • 53 ボイエ・マフェ OLB
  • 59 ジョン・ラティガン ILB
  • 52 ダレル・テイラー OLB

ディフェンスバック

スペシャルチーム

  •  4 マイケル・ディクソン P
  •  5 ジェイソン・マイヤーズ K
  • 41 クリス・ストール LS
リザーブリスト
  • 60 フィル・ヘインズ G (IR)
  • 91 ブライアン・モン NT (PUP)
  • 94 マイク・モリス DE (IR)
  • 10 ウチェナ・ヌウォス OLB
  • 49 ジョシュア・オヌジュオグ OLB (IR)
  • 32 ジェリック・リード2世 FS (IR)
  • 42 ドレイク・トーマス ILB (IR)

練習生

  • 98 リーバイ・ベル OLB
  • 18 ランス・ボイキン CB
  • 74 ジェイク・カーハン T
  • 64 オースティン・ファオリウ NT
  • 62 ジョーイ・ハント C
  • 88 ケイド・ジョンソン WR
  • 28 ケルビン・ジョセフ CB
  • 40 ブライアント・コバック RB
  • 85 タイラー・メイブリー TE
  • 15 ショーン・マニオン QB
  • 86 イーソップ・ウィンストン WR
  • 50 パトリック・オコンネル OLB
  • 34 ジョナサン・サザーランド S
  • 19 コーディー・トンプソン WR
  • 82 コーディー・ホワイト WR
  • 86 イーソップ・ウィンストン WR


Roster December 27, 2023現在
  • Depth chart
  • Transactions

アクティブ 53名 インアクティブ 8名
練習生 16名 (+免除1名)

ニューヨーク・ジェッツ先発QB
  • ニューヨーク・タイタンズ(1960-1962)
1960年代
  • ドロウ
  • ジェイミソン
  • グリーン
  • グロスカップ
  • ソンギン
  • ウッド
  • ホール
  • リスケ
  • タリアフェロ
  • ネイマス
  • 1970年代
    • ウッドール
    • デービス
    • デモリー
    • ジョーンズ
    • トッド
    • ロビンソン
    • ドムレス
    1980年代
    • ライアン
    • オブライエン
    • ノリー
    • イースン
    • マッキー
    • ネイグル
    1990年代
    2000年代
    2010年代
    2020年代
    年代の分類は初先発のシーズンによる
    ニューヨーク・ジャイアンツ先発QB
    1920年代
    • マクブライド
    • ヘインズ
    • コールドウェル
    • フリードマン
    1930年代
    • モーラン
    • R.スミス
    • ニューマン
    • ダノウスキ
    • サラウスキー
    1940年代
    • ミラー
    • リーマンズ
    • ニクス
    • ハーバー
    • フィルコック
    • ゴバーナリ
    • コナーリー
    1950年代
    • タイドウェル
    • ランドリー
    • ガリッファ
    • クラッターバック
    • ハインリック
    • ショー
    1960年代
    1970年代
    1980年代
    • ブルネル
    • ラトリッジ
    • ブッシュ
    • クロチッチア
    • ホステトラー
    1990年代
    • グレアム
    • ブラウン
    • カネル
    • コリンズ
    2000年代
    2010年代
    • G.スミス
    • ジョーンズ
    2020年代
    年代の分類は初先発のシーズンによる
    シアトル・シーホークス先発QB
    1970年代
    • ゾーン
    • S.マイアー
    1980年代
    1990年代
    • ゲルボウ
    • マグワイア
    • R.マイアー
    • フリーツ
    • ムーン
    • キトナ
    • フォーリー
    2000年代
    2010年代
    2020年代
    • スミス
    • ロック
    年代の分類は初先発のシーズンによる
    AP通信NFLカムバック賞
    1960年代
    • 1963 J.マーティン(英語版)
    • 1964 L.ムーア(英語版)
    • 1965 J.ブロディ
    • 1966 D.バス(英語版)

    1967-1997:選出なし

    1990年代
    2000年代
    • 2000 J.ジョンソン(英語版)
    • 2001 G.ハースト(英語版)
    • 2002 T.マドックス(英語版)
    • 2003 J.キトナ(英語版)
    • 2004 D.ブレッドソー
    • 2005 S.スミス(英語版) & T.ブルスキ(英語版)
    • 2006 C.ペニントン(英語版)
    • 2007 G.エリス(英語版)
    • 2008 C.ペニントン(英語版)
    • 2009 T.ブレイディ
    2010年代
    2020年代